自明なベール

大きな石鹸に長い防水シルクの紐が通っている。石鹸は六角形をして粉っぽいすみれ色、穴の周りだけ油脂に溶かした大粒のラメが光っている。


ワンピースのかたちをした木綿の部屋着。3つのはとめボタンは淡いばら色で、大きな半月型のポケットが左右についている。ウエストにまわしたベルトにはマヤコフスキーの詩がブロック体で印刷されている。


躰にシュガーミンクと書かれた小さいミンクが、カップに入ったコーヒーに潜ろうとしている図柄のTシャツ。ザラメの砂糖はひとさじすくうと、確かに生き物みたいに見えることがあった。