2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

福祉国家化が剥奪する四肢的思考

「ある人間の身体からすべてを切り落としてみよ。両腕、両足、鼻、 両耳をそぎ落としてみよ。その時彼の自尊心と威厳がどれほど残って いるかを見てみよ。こうした概念が身体の通常で正常な状態にどれだ け依存しているかを我々は知らないのだ。引かれたなら…

思考の合成的判断

色々な階梯が複合されて生まれる判断の層。 キリムとか、長いタペストリーの中に折り込 まれている図案と似ている。多分その中にある 言葉は何か具体的なセンシュアルなものを指し しめしている訳ではない。けれどそこに在る。 (そういうものとして、ペルシ…

近代化する視覚(メモ)

人体の神経は、適切にも電信線に喩えられてきた。電信線は電流 だけを伝導し、他のものはいっさい通さない。電流には強弱があり、 どちらの方向にも流れ得るが、その他の質の違いは全くない。にも かかわらず、端末にある装置の違いに応じて、電報を送ること…

雲雀のたかさで

どこから来たのか 考えられない 雲雀の溶ける 青の広がる 休みの時間 溶けた雲雀の 中のかたちが 貪欲に餌を追って 青に吐き出した 別の雲雀の 生の姿 自分の倦んだ 気配の上に 重ねあわせて眠る ****************************…

洗脳・レイプ・言語芸術

全部が断片化した跡の形跡や痕跡が、再度 身体に登録される事。痛みと、それが生き分け られている身体の階層が、数度虐待や毀損の対象 になる、ということを、ただ即物的に書く事。 たぶん、その事によって救われるフェミニティ はあまりない。ただ、稀少な…

痛切な面白さについて(メモ)

P・ウ゛ィリリオが「幻滅への戦略」の中で書いているような 委員会が、結局個人(ひとという個体)の意志を反映も表象も しない、そればかりかその委員会の中で優位に立っているもの の都合のいいようにしか、結局は現実を書き換えない(可能性 がある)とい…

昇華と現実

結局のところ現実は、絶え間なく昇華が執り行われている面の 一部を切り取ったものであることが、一番効率的なのだろう。なぜ それが忘却されるのか。 と言う事を確かに素朴に悩んでも仕方ない、と思う。 けれど、 「例えば、今日、大きく道を逸脱した実験科…

時宜にかなった解答がなされない時

時宜にかなった解答がなされない時、そこには ヒステリーがある。決して解答なんて出ない事柄 に対する取り組み(の、形骸化)。取り込まれても 感染してもいけない。 *************************** ある種の企業や学律の、〈穢れ…

原理主義的なものの貫通

それをどうやり過ごすか、というひとつの大きなテーマ。 通常の言語的コミュニケーションと全く異質の、感覚のみの やり取りがあるということ、負荷と権限が異様に多く与えられて いること、フリークスについての教育があるということ。 それについてずっと…

ルネ・ジラールの凄さ/サイが・・・

ルネ・ジラールをちゃんと読みたいな。 私はヘーゲルを読めないけれど、ルネ・ジラールは リアルだと思いながら読む。それを意識し続けたら 確実に心理が揮発するくらいの根源的な暴力、外傷 性。ある宗派的な過剰さが、その後の世界を専らそれ が反転したも…

形成される神秘主義

アドルノのFスケールにならってRスケールという基準を作って はどうか、ということを考える。色々な隠蔽の仕方はあるにせよ、 何か霊的なものと思考にまつわる比喩表現をコントロールする ことによって、他人をオブジェクティブ扱う表出は、根本的に おぞま…

ブッチャーカバーの日

経緯があり「ヒトの思考は外郭をめくっても、どうしてこの現実と結びつい ているのか分らない。ただグロテスクなものの基底の値が分るだけである」と 気づいたので、今日を「ブッチャーカバー記念日」と名付けることにする。 それで改めてブッチャーカバーht…

諜報と越権

(多分、自殺と外傷的経験という契機にこだわった ことはないのだけれども) 単にすごい悪意から、パウル・ツェランが自殺したのは パリ警察の陰謀による迫害のせいだった、という小説を書こうとした ことがある(それほど陰惨でなく、あるボリュームを保っ…

空想(感慨)

「脳内伝達物質と同比重で同じ化学構造の本を書く」 っていう野望がもしあるとすると、それはすごくギャ グっぽいかもな、という気がする。でも(私は歴史に 詳しくないんだが、多分歴史上何人も)、本気でそう いうものに取り組む(取り組むと いうか仕掛け…

内的転向論

「内的転向論-カフカへの旅-」(関根牧彦 思想の科学社) しみじみ「具体的で素晴らしい本だなぁ」と思いながら読了する。 琴線に触れるというよりは琴線がどこにあるか分った感じがする。 (ミニマ・モラリアについて触れられている)。 *********…

ポニー

人を笑わせる丸い目のポニー 目の部分に 黒いフェルトが貼られていて からだは青いゴムで出来ている 人を乗せているところを見た事がない 目の端でそれを見る時 いつも 世界が不自由であることを思った その目にはすこしだけ 崩れて全てが映っている どこか…

夜には夜の

大きな街灯が三つ(等価に) あたりまえの静寂に縫われて 街のなか 空の下に 留めおかれてる 浮薄に息を吹き込んだ 気泡のある表 どこまでも薄くなりそうな 透明な表が 空を透かす 支えは金の細いアーム 茎のかたちして 空のすみれを戴く 中に灯がはいるとき…

〈メモ〉構成的に霊感を欠く過程

私は、構成的に霊感を欠く過程を描き出すことは、それなりに 面白いとずーっと思っている(詩でも文学でも、音楽でも絵でも)。 霊感を欠いたあと、ロマン主義的に嘆き、それを回復したり再導入 することを目的としない。単に淡々と霊的ではなくなり、その後…

Savoi Fabric Arms

例によって意味はよくわからない 看板なのだが・・・ 薄い粉っぽい藤色の中に 花文字で書かれている Savoi Fabric Arm 古いベンチソファに 腕がついていない場合 つける布の腕 手のひら Savoiで造られているのか? よく解らない 言葉だけの気もする・・・ 白…

影響の不安?/遺伝子と電子工学だけを残したままの・・・

全然フェミニスムの感性と重ならない批評家として、 H・ブルームというひとに興味を持っていた(これは、 ルネ・ジラールに関心があったのと似たような感覚で。 主体の位置を画定するのに暴力の所在を示す、というの は、90年代の半ばごろからすごくありふ…

方法

「今日のヴィジョンと印象」。 「今日のヴィジョンと印象」はイマジネーションの 記録であって、作品としては結実していない。 構想はきちんと作品むけに用意したノートのなかで 組み立てること。そしてその間に、「ヴィジョン」から の引用にふさわしい描写…

ミニマ・モラリア

身体に機械が反射する ドアはそーっと閉められない 蝶番は 白い鋼で出来ていて 合わせ目は丸い木の実にそっくりなのに 閉め出されゆく時間は凍え やがて 骨釦のなかの春画になる 注意深く身体を折り曲げ 反射する機械のかたちをなぞり 骨釦が抱えるその機械 …