2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

強烈な絶望感について

痛みの小箱 思い起こせば今は 昨日 夢うつつで 河を下った時間 目覚めていないから まだ 部屋のなかがびしょぬれ 冷たい水を含んだ風が わたしの頬を撫でる 新しい類型の到来に 世界はこんなにもむせび泣く この部屋は痛みの小箱 こんな河に 魚も棲まないけ…

拘禁について

拘禁反応に脳が耐えられるリミットがどれくらいなのか、考えた事がある。 (治安維持法下で、政治犯として収監されていた人の思想的変節について 関心があった) 転向という言葉で言い表される出来事だけでなく、何らかの拘束関係の もとで変化が起きるよう…

テンペスト通り

技術の粋を活かした集積回路は、男が女のエノルムさを消去する伝統的な 武器だった。それは何もかもを映し出すことができ、昔から語り継がれてき たのに、遍在は次の世代、痛ましいオーパスと化す。有り体にいってそれは、 精霊的なもの、細かくて痛ましいも…

監視のモデル

単に嫌なものとして。 「フーコーも右です」かどうかは知らないけれど、やっぱりすごく 考えさせられることがあるパノプティコン。 本当は依然として、監視されるのは「性犯罪者の男」ではなく、 一旦ターゲットにされた目的物とか、獲物状のものであるのに…

影の現象学

河合隼雄さんが亡くなられる。 私は講演で、直接お話を聴いたこともなく ユングとフロイトをまとめて読んでいた頃の、ただの 読者なのだけれども、ある種の穏当さに飢えて いるとき、河合さんの本を読むとじぶんでも驚くぐらい 素直に、ユングを身近に感じる…

心で覚えている場合

「俺たちの二人の二重の無意識が 一層 深さを増している この南方の 浄土につき 百千の花菖蒲の亂れた土地、 その風景の一望が、確かに存在したのだか どうかは菖蒲が知っているが、真夏の 喇叭の金といふ名を持つに相応しくないと、 われひとも、当然の事柄…

傲岸な話

視像化された人の意識の基底の言葉や形象が、全部他者の中にある、というのはエロティシズムとか緊張を孕む関係だけれども・・・と書いて、 何だかじぶんが、そういう骨がらみの内的なモードと関係のない哲学を、単に造 れないかなと考えていたことを思い出…

被造物の恥ずかしさ

(写真は「あやつり人形屋」でMANUFAKTURAと書いてある) 素朴な感慨なのだけれども、視像化された人の意識の 基底の言葉や形象が、全部他者の中にある、というのは エロティシズムとか緊張を孕む関係だけれども、そんな 事で例えば「この世界がどうしてある…

つられてニコニコ

生きてる作家に会いたいと、滅多に思う事がない。 (もう居ない作家の家とか墓所に出かけていくことはあり、 カフカの家を見つけるまでカフカの事ばっかり考えていた。 何であんな作品を書いたかすごくよくわかり、あとは住みな れた場所を出て一間の場所に…

転移プロセスの電磁化

「ああ、人間にはあれほど生きたいという意志があったのに!」(カレル・チャペック 「ロボット」) ウィーンとプラハに旅行(7月5日〜10日)途中カフカとチャペックについて、いくつか メモを取る。内面を掘り下げることが対自的になされるのではなく、…

物象について

考えのなかにそれはあって、外化するまでに色んな形式を 取り得る。それが柔軟であれば(アドルノが書いてるみたいに)科学的 連関を超え出る空想というのがあり得る。 被験と心裡内部の形象の対立とか均衡、メディアを通した拡散みたいな 事を考えると、ア…

小説は唯

広告と小説が張り合わせられて裏箔がまるで無くなる 個人が個人として機能しなくなることの享楽 そういう事を考える以前に、本当に切実に、 小説の価値が、神学によってゼロになる事態みたいな 事を考えていた。 多分、読んだものに従って幾らでも書けるだろ…

ヒステリーという設定

6月2日の日記。 *******************************時宜にかなった解答がなされない時、そこにはヒステリーがある。決して解答なんて出ない事柄に対する取り組み(の、形骸化)。取り込まれても感染してもいけない。****…