語る胚

外に出ると半端なく寒いので、今まで着ない事に決めていたダウンコートを買う(デザインの古着を扱っているお店があり、よく行くのだが、すごく感じのよいオーナーさんが色々と教えてくれる)。
あまり関係がないのだけれど、心身問題と言う言葉は聞いた事があっても、心脳問題という言葉は新しく出てきたものに過ぎない気がしていて、しかも身体になら及ぼせる個人的なコントロールが使えなさそうなところが怖いなぁと思う。実際には「脳トレ」みたいな事でコントロール出来るのだろうけれど、それ以外の部分で幾らでもあざとく神秘化出来そうなところがイヤな感じ。それからその神秘化は自我欲動ともすごく関わりが深く、そんなところに滞留してても見えない意識の構造があるのでは、、と感じる(それもどうせ研究するならまともにやりたいと思う)。
南方熊楠カニバリズムについての論文を書いていたと知って、何となくきついものを感じた。

語る胚を景色のそこかしこに見ること。陽の光に軽くなぜられて胚は表面に上がってきたり、見えない場所へ潜ったりする。
胚はそれぞれ別の言葉を呟いているが、込み合って聞き取りにくいという事はなく、なだらかなきめを持つ木の実がそのうちうまれるまで、そのきめを壊さないために響く。