丸い椅子

背もたれにカボッションのトルコ石が幾つも嵌め込まれている、チーク材はまだ匂いたつような気がする。段々と鋭さを増す脚先にプラスチックのカバーが履かされているのは、床を傷つけない配慮としても余計ごとに見える。
プラチナで出来ているワイヤハンガーに薄い紫色のブラウスがかかってる。しっかりボタンを掛ければ掛けるほど強いX線を照射されたように魂の内部が外化する。