心配雛人形

bobbinsmall2010-03-03

東洋で人の衣服をそのまま小さくつづめて身に纏った番の動物が、隙間から家の成り立ちをひそやかに見まもっているという事がある。彼らは概ね、悪意なく黒目がちに見開かれた瞳を持っているが、3月のある時刻を過ぎると、専らその瞳で家の中に踞る年かさの女性の、典礼の遅滞を見届けることとなる。
って、何だかよくみるとこの人形、結構カフカネスクなぁ。
チェブラーシカに出たいよねぇ」
「東欧に出稼ぎに行ったら大金持ちになれるかしら」

「動物で飽きたらカフカの小説に、星形の糸巻きの格好してて一本足で立ってる、カサカサ枯葉の擦れあう音で笑うオドラデクっていうのが出てくるんだけど、それで雛人形作ってくれないの」
出来上がったら背負って行商に行く、という夢を見た。