天気

が、丁度いいうす曇りの状態の中、ケミカル・ブラザーズを観てくる。

・・・行きの電車の中で「あなたの痩せないダイエット 科学的検証」と書かれた
社内広告を見て、やっぱり痩せないのって科学的じゃないし信用されないんだな
と思っていたのだが、いろいろと5時間ぶっ続けで踊った結果1.5キロ落ちたので、ほんと、
訳の解らない精神状態で心身をホールドする脳科学者とか偽者過ぎるのだ。
普通に考えればどうにかなる事を、嫌な方向に引っ張りすぎなのだと思う。
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「普通に考えろ」の普通はこの場合西欧のキリスト教スケールで、結局悔しくてもそれは
致し方ないことなのだと思う。自然科学と哲学の発展がどれだけそれに負ってるか考えると
邪推なのだが未だにノーベル科学賞もそのスケール感にある程度寄り沿った科学的発見に
賞を出しているのではないかと思う(というのは、本当に印象だけの素人考えだが。クオリア理論の基の「意識とは何か」は、ある部分がかなりの精度で「現象としての人間」とパラフレーズ出来てしまい、それは結局意識という問題がキリスト教圏でどう捉えられたか、人間の心身がどういう次元を縫って立体化していたかに拠る)。
志向性と身体の恒常性も、そこに戻ってクリアランスを取るとあんまり悪い方向にばかり
ぶれる必要がないのだ(ここで、ほんとにキリスト教徒の人の心理的/神経的構成を自分なりに
シミュレーションしてみると、後々「十字架に掛かったキリストが復活する」という話が伏線
していて比較的楽天的な生存感覚のラインが割り出せているんじゃなだろうか)。
 ・・・広告代理店がどういうお話をでっちあげて、それを身体化した科学者がどう空回りするかは
よく解らないのだが、カルトからお金を引き出しててキリスト教理解がめちゃくちゃな脳科学
が、その後広告代理店の遺産を食い潰して自己演出しないとプライドが保てない事も、ノーベル
賞取れないこともセレブ(というか成金)の中では下衆な部類と思われている事も、普通に生活
してる社会の人の意識一般には全然関係がない。
 にも関わらず、カルトの技術ベースで相変わらず人の意識を「解明」したがっているとなると、
安穏と気分よく考え事したい人にとっては迷惑な存在でしかないような気がする。
 法的に裁く事も罰則を負わせる事も出来ないのであれば、とりあえずこちらがカルトに吸収されない
ように茂木さんの外見的な汚さとか、人間の不快さを言葉で攻撃して出来るだけ自尊感情を無くさせよう
と思う。
 
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ホリエモンみたいな人は最初から投資家なのでともかくとして、茂木さんのように正統な科学だの哲学だの
文学で真っ当に意味のある構成にたどり着きたいと思いつつ、人間が汚いので金まみれになって「嫌われ」
てるという人が一番たち悪いんじゃないか、という気がする。金が蓄積されている事だけを理由に正統な
プロセスで科学だの哲学だの文学をオーソライズしようとしてる人が従属させられかねない訳で、何だか
坂口恭平さんという建築家の人との対談の時に酔っ払って呆れられたことや高橋悠治さんに怒鳴られたのも当然
だなという気がする。
 逆に言えば茂木さんを一人外せば随分気持ちよく90年代以降の現実的な感覚の問題を経済ベースに乗せ
られるような気がするのだが。
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 クラバーでもパーティーぴーぽーでもなく、単にテクノの家聴きという内向的な趣味があり身体がしゃきしゃき動く時もケミカル・ブラザースをMDで聴きながらジムに行ったりしてたのだが、テクノの家聴きはぬるくて楽しく、たまにパーティーとかDJセットとか見ると変な方向にユラユラ揺れてしまう。しかもケミカル・ブラザースはVJ一切なく、実況中継さえなくアゲに来るアゲの音(正式名称が分からない)が冷酷かつ存在論的に怖い感じの音だったため、前の方で怖い思いをしながら踊り、最後から三曲めがOUT OF CONTROLL である事に怯え(投げられて終わりか?)、SWOONをご褒美に貰い、花火が上がり、後ろで踊り狂っていた丸っこいお姉さんからぽんぽん肩を叩かれきれいだね花火! となり、最後HEY BOY HEY GIRL で終わる感じだった(この曲のPVに出てくる根性悪男の子凄い感じなのだが。VJ一切無かったため思い出さずに済んだが、SWOONだけアメとムチのアメみたいな気がする)。お姉さんに「凄かったね」というと、「凄かったね、私泣いちゃったもん」というお姉さんは本当に泣いており、「ごめんね、私手とか当たりまくっていたかも!」と、なぜか謝ったうえ、入場時に貰ったステッカーをくれようとしたので持ってる旨伝えると、サンプリングで配ってたクロレッツをわけてくれたのだった。

スヴェン・フェイトという人が、半分VJ見るのが楽しみな身としてはチャーミングでとても楽しかったしちょっと重心の低い重層的な音がかっこよく、何だか和めた。

新興宗教にしてもテクノにしても心理的構成と身体的構成を分離してあげていく(現実的な感覚からちょっとずらす)ところがあるんだろうが、何か四六時中ずっとそんな状態というのもないねという気がする。心身問題も心脳問題も、多分あんまり自分生得の感覚に合わないまま作用すると心身症的になってしまうと思うのだが、特に脳過程(神経の動きと言語野での言葉と思考の形成や、視覚で捉えたもの)が心理的過程や外在する社会体と二重構成になれば、ドッペルゲンガーとか幽体離脱とかみたいな存在論的に変な話になってしまう。神秘現象とか変性意識みたいなものを冷静に構成的に捉える、というのは何故か浅薄なオカルトに負けやすいにしても、十年位でなにか意味のある発見があったとすれば結構簡単にヒトの脳過程にアクセス出来る事がわかったのと、にも関わらず人間一人を完全に知覚のハブとしてだけ取り扱う事なんて出来ないという事なんじゃないだろうか。
ケミカル・ブラザースやっぱり凄いなあというのとSURRENDERまでの三枚なのだが、YOUTUBEのお陰で映像がどうか見る事が出来、なんだか納得している、というよりそんな事しても丸きり仕方ないのだが、ちゃんと分析出来る事に感激する。
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分析しても仕方ないというのは、でもキネステーゼという考え方で納得したいと思ったとき、そこそこあてはめて考え
られるなという事なのだが、何かが洗脳なり専横で持っていこうとしてるときキネステーゼとか心身の恒常性を持ち出して主観を保たれては困るのだろうなという気がする。でもそれだけの理由で心身を攻撃したりストーカーするとなると
ほんとものすごい下衆な人たちなのだという気がするが。