転移プロセスの電磁化

これは怖いでしょう、でもずっと乗って

 「ああ、人間にはあれほど生きたいという意志があったのに!」(カレル・チャペック
「ロボット」)

 ウィーンとプラハに旅行(7月5日〜10日)途中カフカとチャペックについて、いくつか
メモを取る。内面を掘り下げることが対自的になされるのではなく、いつも外部からオート
マティックに襲来すること、その事に対する腱が機能しないこと、というモチーフがまた
戻ってくる。
 それは妄想でなく、病理的な要請と共に、本当に生きられている出来事でもある。
 緩みなく書くこと、書くことと帝政の関係。
 (プラータ遊園地で、あまりにも楽しくて何となく一晩過ごしてしまった)。
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 遊園地の出てくる映画を観ている時に、しょうもなく鎖で吊るされた遊具を見て「これは
怖いでしょう、でも乗ってみたい」とずっと思っており、それが叶った瞬間、私は
どんな病理的な要請からも自由で、なおかつおぞましい転移感情抜きでまともになっ
たように思えた。
座席は星と地面の間をいったり来たりしていて、涼しい風があふれ出るように吹いていた。