縄の内部像

柔らかい布を細くさいてあみあわせ縄状にしてある。縄の内側には銀のかけらが沢山紛れ込み、突然の風が吹くと布だったころの名残を縄全体に行き渡らせながら鳴る。その音を聴くと形のいい結晶の水晶が部屋の何処に忘れてあったかすぐに思い出す。

縄の内部像はそれから、聖人の形をしてもいる。外から縄を握った人の、丁度たたずまいと同じ形をした聖人の。
フーシャピンクのサテンをキルティングした小さな枕。よく眠れるようキルティングを施した交点にとめつけられた布のくるみボタンには、ミントと他幾つかの芳香を持つ植物が詰められている。