電車で出かける

 電車で出かけることが多い。
 最近何となく気がひけて、格好がでたらめになっていたのだけれど、後々
考えるとその「でたらめな格好」というのも単なる自意識過剰でしかない
事が多い。というより、そのこと自体が問題になることなんてあまりない。

 昔ZARAで買ったワンピースを着て仕事していたら、うるさい
ストーカーのうちの一人がしつこくブログで言及してきて、この人はほかに
することがないのかなー? と不思議だったことがあった。ジャケットに
スカートで、バーゲンの時に買ったナラ?カミーチェのシャツを着たり
してたことが多いのだが、あくまでもバーゲンの時で、普段1万9千円とか
出して買うことはない。履いている靴もそうで、ソニア?リキエルとかミラ?
ショーンでも、新品で5000円とか1万円程度しか出してない。私は基本的に
洋服が好きだが、服装の瑣末な差異に対して色々言われるのが嫌い。
秋葉原の事件の犯人の心情はまったく分からないけれど、「つなぎを
隠された」「洋服にこだわらないとモテない」という悩み方は、ある
種の陰険さをまともにくらってしまった人のものだなと思う。
(今はそんな陰険なことはないのだけれど、自分の中で問題になる
時ってボロボロの格好をしては下らない悪口を言われ、それなりに拘った
格好をしてると逆切れされるみたいな最悪のループの中にいる。だんだん
億劫になって化粧をするのが面倒になり、それって嫌がらせの被害を受けた
女性によくあることらしい)。

 いきなりカードでアクアスキュータムのコートを買ったりするほどの
贅沢なんてしなくてもよく、単にジーンズ
メイトとかで無理なく仕事に行ける服を買えて、つなぎが無くなってい
なければ、こんな事件にならなかっただろうなと思う。
 
 神戸の事件も、その前の宮崎勤の事件も、もっと遡ると連合赤軍事件も文体が変、と思うのだけれど、この事件はあまりそういう気はしない。かわりに人並みの幸福感がなめられるか蔑ろにされた時の絶望感って深いなぁと思う。
過剰を資本に組み込む過程で、情動が齟齬を来して犯罪に走る人の文体は変だ。