コートされた夢

 一呼吸置いてから風のしるしを受けるとき、片方のポケットに入れたままにしておいた
万年筆から洩れたインキが身体中に回るように感じる。コートされた夢(入れ物にいれられて
継ぎ目をしっかりと封じてある)を試しながら場所を移動できる気がして、午後の時間を薄く
引き伸ばしながら進んだ。(金属の展性みたいな、澄んで硬さのあるうわべが、そのまま夢を
まもるものとして現実に比重を持っている。羽根と理性の引裂きを永らえた一片の考えがその
上を舞っており、私は自分のかたちが他の何もかもと同じようにまぶしくて、よく見えなかった、
色々なことが)。

                    ♪
 歩きながら時間が出来たら人間ドックにいかないといけないかもなぁ、と思う。肩がぱりぱり
に凝っていて、その延長線上に頭があるみたいなヘンな感じ。とはいえ何が遠因になっているか
ちゃんと考えたとき(繰り返しになるけれど)カルト本当に悪だわ、と思う。
 私のよくないところは、長期的に見たら絶対に相手を謗ってしまうのに、つい目の前に居ると
訳の分からない思想を受け入れてしまうところで(こういうことを書くのがどうもキリスト教
な感覚から離れているのではないかと思うのだが)、創価学会とそれに付随するものの表現に
ついては、認めてもプラスに働くことはただのひとつもなかった。