「妖怪談義」を読み返す

 ちょっとだけ「妖怪談義」を読み返す。この本の星を幻視するところがとても
好きであり、なおかつ(いわゆる現実感ではないのだけれど)リアリティがあると
思うのだった。民族学に結びつく知見は、たぶんそういうものを合図として突然
はじめられる。どこかで幸運とか、人生の意味内容が増幅されるイメージと結び
ついている体験。

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 色々と手配したり片付けものをしたりしながら(これはほのめかしとも全く
関係なく)秋だなぁと感じる。
 柳田国男、文章がはっきりしていて上手いなぁと読むたびに思う。
 (季節ごとの祭事とか雨や天候についての即断が素晴らしい。それで、天候は
ある民族の置かれてる状況によって捉え方が全然違うわけで、それを雨=凶事みたいに
置き換えていく手法は本当に幼稚だと感じる。作為が多すぎる)。
 人間の精神をやけにアーティフィシャルに捉えて、そこに内在している自然との照合項みたいな
ものを無視することが一番反エコロジカルなことなわけで、わざわざ自己啓発セミナーを
受けてから「自然素材」について教え込まされるのなんて二度手間三度手間の気がする。
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