何となくの厄落とし/ノルウェーの森談義

 身体全体にくるよくなさの感覚を、「これで引き受けなくていい」という感じ、
 車で走り回ってるからそう感じたのかもしれないが、ともかくちょっとほっと
 する。空が高くて気持ちがいい。ガソリンが2000円も入れればいっぱいになる
 ことが嬉しく、つい光のラインが何本も流れる道路を走ってしまう。(走り
と ながら、微積分的な回路と心理の照合について、もう少しドロドロしたもの抜き
 で出来たはずだったと思う。中井久夫先生の「S親和者」とか、ある種の技術的な
 主観とか。この辺りの謎を解き明かす筈の科学の言葉は、実質何もしていない)。



               ♪
 「ノルウェーの森」について、つい高野悦子の話をしながら、そういう女性(馬鹿で
 無力)は別に世の中を変えることとも、現実を金銭的に潤わせることとも結びついて
 いないけど、ある種の男の人の嗜癖共依存か共倒れになったときに凄く意味のある
 ものに見えるんだ、という言い方をする。ボコボコに暴力を振るわれてるときにしか
 自分の価値を認められない、とか、その手の存在を大量に必要とする変革運動に意味
 はないんだが、新興宗教にはまる人間というのはその辺りの事情を見ないか、もともと
 の精神的なロケーションが歪んでいて、そっちに引き寄せられるのだ、と言う言い方
 をする(これは創価学会に凄く言えることで、毎週末集会で顔を合わせたりしてるうち
 に距離感が狂ってしまうのだろうなぁ、と思う)。
 自分を実もふたもないと感じる。けれど本当のことなんだから仕方ないという気もして。
 (それにしても「1Q84」はすばらしい。早く続編が出ないかなぁ)。

 母と話をしながら、以前記事を確認した「Twitterを脳から投稿」の記事を見せて
「警察にもこの手の研究のドメスティックなやつをぶつけられたのだと思うって話してある」
と伝える。それで「うちの子ちょっと変」とはならない。身内は私が10代前半からフロイト
とか詩集とか読み漁っていることを知っているからだ。

 「でもたかが電機メーカーとか広告代理店が、一個人相手にそんな人権侵害なんてどれだけ
よって思わない。今やどっちも赤字産業なわけだしねぇ、アメリカでそういう変な諜報からみ
の実験が明るみに出たときはちゃんと保障されてるんだから、私もまっとうな謝罪と金銭での
賠償が欲しいなぁ。一時物件頼んでもらうとか、そういう事も考えてたけど、中年以降の人格
障害者みたいなものだから絶対無理。でも60年配になって他人の個人情報をわざわざ企業かませ
てトレースした上で、色々ご忠言するのなんて悲しいね。普通に面白いと思ってた小説とか、
普遍性のあるテクストと全然違う。それにしてもあるメーカーにちょっと被雇用者で関わった
だけで、いきなりそんな目に遭うのって碌でも無さ過ぎるよね、普通のメーカーさんと話してると
何かやたらと恥ずかしい気がするんだけど」というのは口がきついが、本心なのだから仕方ない。