幻のアフリカ
アマゾンで注文した「幻のアフリカ」が届く。
「フランスに「職業的で専門化した民族学」が生まれた画期。
本書は書記兼文書係としてレリスが綴ったその公的記録である。
だが、客観的な日誌であるはずの内容には、省察(植民地主義への
呪詛)、夢の断片や赤裸な告白(しばし性的な)創作案、等々が挿入され、
科学的、学術的な民族誌への読者の期待はあっさり裏切られる」
そうなのだ、民族誌は多分に告白文学であり、それは全部神話なのだ。
今年は谷川民族学を何冊読めるんだろうか。
♪
砂糖をかけたグレープフルーツの汁を受けるだけの余裕がある、厚手の気泡ガラスの器。皮の白と表皮の黄色の周りにまず空気層があり、あとはガラスの
細かい泡の浮いた透明の膜が覆っている。器を運ぶときは一瞬とろみのある重たい感触が手のひらに触れるが、テーブルの天板の上ではそれが単なる媒質に
なって、果物はその上で休んでいるのだ。