南島イデオロギーの誕生

 を読み始める前に、いくつか柳田國夫を読む前に一揃え思い出す事柄を想起する時間があって、それを
一通りおさらいする。(大体星が見えて急に「民俗学」というものを思いついたというはじめからして、
神秘的だし素敵な出来事という気がするのだ)。
 ある種の妖怪をテーマにした場所を設えた後、その妖怪ゆかりの宿が火事で消失してしまった、という
ことがあった。(そういうことが起きると、主知主義的なものの見方の間をくるくる合理に吸収し切れない
ものの気配が通り過ぎる)。


 エコーと鍵。白い膜のかかって見えるドアの枠に、こまかな傷がついている。なおし切れなかった蝶番が軋む。
 エコーは鍵の中にあらかじめあり、鍵は鍵穴を探っている。

                       ♪