科学理論の空手形化

 単に経済の問題でしかなかったのだとすれば、「(も)クオリア理論」はブレイクスルー
 を起こすようなものではなく、単純に「空手形」になった、という前提で、今後は考えてみたいと思う。
 しかも最初にその手形を許容したのは、科学と間逆の信仰体系を持った新興宗教、ということで。
(これだけ脱税脱税言われてる人がたまたま本を売って、理論じゃなく手口が割れているのに文学者が怒らない
 のは変だよね、という気がする。見通しが異常に悪くなったような感じがするし、その見通しのおかしさは
 もっと文学者に書かれてもいいような質のものなのに)。
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 それにしてもこのページを読んで恐怖のあまりひゅー! となってしまいそうであり、同時に相当イラッと
 来る。http://homepage2.nifty.com/dennjiha/contents/jap_haarp.html 
 電磁波もそうだけどこういう話大嫌いという人結構多いよねという気がする。
 ずいぶん前に、バウビオロギーという理論に基づいて開発されたという建材(壁材)で内装のリフォームを
 したことがあり、それは氷河の漆喰なので電磁場を中和すると言われていて、シュタイナー学の理論が付いて
 いて別段いかがわしくないのだが、妙な兵器が出てきたら全部吹き飛ぶじゃないのと思う。

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 チャーマーズクオリア理論はそういう感じではない。神経工学的に収集がつかないタームだとして、こころの
 哲学に転向した、というのも変な感じはしない。もし感覚質を調べるのにいきなり民間から被験者を選び、宗教と
 広告代理店に後のことを頼んでタレント活動し、おまけに巨額脱税で足元をすくわれてるとなると、普通の人の
 50倍位だらしないと思う。それから、このHaarpという機械はおっかないしCIAが民間から被験体を
 取って研究してもあまり成果が上がらなかったというのがリアリティあって嫌だなあと思う(本当の話だとすれば)。
  私はアマゾンの「意識する心」の一番下の書評を書いた人はすごいと思うのだけれど、現象学的に画定された
 意識とか心と超越的(超越論的ではない)に想定されている意識とか心では違いがあって、前者の中で色々調整した
 り密度を高めるような系列も、それはそれでありだと思うのだ。
  それなのに(も)クオリア理論が転向後取ってる態度というのは、ひたすら文学的なものを威嚇して矮小化する
 という最悪のものであり、そういう人が出版業界で猛威を振るうというのは悲しいことよねぇと思う。
(このHaarpというものについて文学が言及できるのか分からないけど、海外文学の翻訳にすごく影響を
 受けてきた身としては、外在的な脅威について言及した作品もあった気がして釈然としない。ドン・デリーロ
 って一冊位しか読んでないのだが、そんなこと書いてなかっただろうか。一時出版物が異様に多様で豊かだった
 というのは私の感覚的な、何か錯誤もあるのかも知れないけれど、ラテンアメリカ文学もニュー・クリティシズム
 みたいなものもSFも幻想文学も、バランスよく刊行されていた気がする)。

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 ということを書きつつ、本業に関連する部分で言うと現象学やっぱりいい感じ。前出の漆喰も私はとても好きで
今年機会があれば資料を取り寄せたり提案も出来るといいなぁと思っています(塗料が普通の発色よりちょっと
抑えめで素敵なのだった)。