さすがにこれは

電車の中で読むのはきついなと思っていた中井英夫「金と泥の日々」を、夜寝る前に読み切ってしまう(たまたま二冊連続でゲイの人の本だが私の嗜好と関係ない)。ずっと昔買って何となくそのままになってしまっていた。
国策と戦時の国体崇拝が如何に体質にあわないかという話が書かれているのだが、右派だろうが左派だろうが共通した屈託した感じがあり、表裏一体だったのだろうなと思う(それにしても普通に読むのに難しい文章だ)。
純粋な幻想文学ではなく半分私小説なのだが、何となくなんの装飾もない中井英夫という人に関心を持つ。