聖女伝説

多和田葉子さんの本で出た年に読んだ時、異常な意識についての醒めた認識みたいなものの行方について思う事があり、取ったメモがどこかに散逸したままなのだが、分裂病的ありようの体制への吸収されにくさについてガタリを読んでから思う事があり、また聖女伝説を読みたいという気になる。登場人物に「カナー」という人が出てくるのだがあれは今思うとカナータイプと呼ばれる類型と関係あったのだろうか。多分高橋たか子さんの本と同じような意味で影響された本。 ♪
盗用という意味でなく元ネタになっているのは本田和子さんの論文なのだが、文学者わりにまともに(コピーライターや科学者やエッセイストが横着からパクることに比べると)臆面もなく、まるで無防備に「これが私の発想のもとで好きだから書きなおしたのだ」と言うため、それはまともな態度だと思いたいという気になる。

あの本に書かれていたのは明らかに女の子(女の人)の全く死なないという事だった気がする。(同時に何の宗教にも救われなさ、モダンな意識という事でもあった)